コンピューター断層法(CT)は1973年にイギリスで開発されたX線診断装置で、コンピュータを使って人体の横断画像を撮影することができます。
当時、脳腫瘍などの診断が困難だった時代で、このCTの普及により診断・治療が飛躍的に向上しました。
この方法は体の周りをX線ビームが一周し、一つの断層面を画像にします。
例えばその断層面が1cm厚のスライスだとしたら30cmの長さの肺を全部撮影するには30回同じ事をしなければいけません。
また、一画像を撮る間息を止めていただく必要があるため、30回息を止めなくてはいけません。したがって検査時間は20分程度かかってしまいます。
しかし、ヘリカルCTは人体をらせん状(ヘリカル)に撮影していくため、1回の息止めで30cmの範囲を撮影する事ができ、撮影時間は20秒前後です。
さらに当院に導入されているCTは16列マルチスライスヘリカルCTなので1周回転で同時に16スライスの画像を撮影することが可能なので、撮影時間はさらにその16分の1となり、得られる情報が切れ目のないデータであるため、病変の見逃しも少なく、そのデータを基に3次元画像が作れるのがもうひとつの大きな特徴です。
5スライスを撮影するのに呼吸停止を5回行う従来のCTに対し、20スライスを撮影するのに呼吸停止を1回のみのヘリカルCT
検査目的 | 脳腫瘍、脳出血、肺・肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・子宮・膀胱などの診断 |
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前処置 | 検査部位が腹部の場合は朝絶食 |
検査時間 | 約2~3分 (造影検査の場合は約10分~15分) ※ 造影検査とは血管内に造影剤を注入して検査する方法で、より病変部などを鮮明に写し出す事ができます。 |
検査費用(3割負担の場合) | 約4,400円(造影でない頭部・肺・腹部CT) 約7,100円(造影の時の頭部・肺・腹部CT) |
勝田胃腸内科外科医院