ピロリ菌検査

ピロリ菌ついて

ピロリ菌検査イメージ

ピロリ菌の正式名はHelicobacter pylori (ヘリコバクター ピロリ)といい、人間の胃の中に住んでいる細菌です。

「helico-」は「らせん」を意味しています(ヘリコブターの「ヘリコ」と同じ)。「bacter」はバクテリア「細菌」を意味します。「pylori」は胃の出口(幽門部)「pylorus」から来ており、この菌が胃の幽門部から多く見つかるからです。
長さ4ミクロン(4/1000mm)で右巻きにねじれていて、片側または両側に4~8本のべん毛が生えています。

胃の中には強い酸性の胃液が出ているので、そんな環境の中で細菌なんかが棲めるはずがないという考えが長い間つづいていました。
ところが1983年、ウォーレンとマーシャルという人が胃の粘膜に細菌が存在していることを発見しました。ウォーレンとマーシャルは研究を進めていくうちにこの菌が胃炎を起こし、一部の人に潰瘍を引き起こすと考えました。

では、なぜ強い酸性である胃の中にピロリ菌が棲むことができるのでしょうか。

それはピロリ菌が持つウレアーゼという酵素です。この酵素が胃の中でアンモニアを作り出します。アンモニアはアルカリ性ですので胃酸を中和するのです。
そうすることにより自分の周りを棲める環境に変えていく事ができるので、酸性である胃の中でも生きていけるのです。ピロリ菌の感染率は国によって異なります。

衛生状態の良い先進国ではその率は低く、発展途上国では率が高いのです。この理由としては確かなことはまだ分かっていませんが、ピロリ菌は水や糞便を介して口から感染するからだと推測されています。

日本は40歳以降の人は半数以上感染しており、発展途上国と同じくらいの率で、30歳までの人は先進国と同様に低い率を示しています。
これは40歳以上の方は戦後の衛生状態が悪い時代に生まれ育った為だと考えられています。

潰瘍・萎縮性胃炎との関係

今までストレスが胃・十二指腸潰瘍の原因であると考えられてきましたが、必ずしもその考えは正しくない事が最近分かってきました。
潰瘍の最大の原因は胃の中に棲んでいるピロリ菌だと言われています。

また胃の粘膜が萎縮する萎縮性胃炎は高齢者に多く、今まで老化現象と考えられてきましたが、今はピロリ菌感染が原因だとも言われています。
しかし、ピロリ菌に感染したからといって全員が潰瘍になったり、その他の病気になったりするわけではありません。

ピロリ菌に感染しても、その方の2~3%の人が発症するだけで、ガンやその他の病気の発生する率はもっと低いのです。
したがって、ピロリ菌に感染しているからといって必ず除菌が必要だとは言えません。

ただ潰瘍を繰り返したり、胃炎症状の強い方はピロリ菌に感染しているか検査することをお勧めします。

検査方法

ピロリ菌を診断する方法には呼気検査で行う方と法採血で行う方法があります。

呼気摂取法

診断薬を服用し、服用前後の呼気を集めて診断します。結果が当日に分かりま、簡単に行なえますので、感染診断前と除菌療法後4週以降の除菌判定検査に推奨されています。

前処置 食後4時間は時間をあけてください。
(水分もとらないでください。)
検査費用 1,500円(3割負担)

血液検査

前処置 特にありません。
検査費用 約800円(3割負担)

除菌方法

感染していることが分かればピロリ菌の除菌を行うことができます。
「プロトンポンプ阻害剤( PPI )」という胃酸を抑える薬と、2種類の抗生物質を飲んで頂きます。

服用期間は1週間です。除菌治療は中途半端でやめたりすると、ピロリ菌が薬に対し耐性を持ち、次に除菌しようと思っても薬が効かなくなる場合があるので、医師の指示通りに服用することが大事です。

治療費用 1週間の投薬期間で約2,000円(3割負担)

副作用

除菌により患者さんによっては副作用が出る場合があります。副作用でもっとも多いのは「下痢・軟便」です。
整腸剤の併用で治る場合もありますが、腹痛や下痢がつづく場合は主治医に相談してください。

その他、発疹や肝機能異常などが出る場合もあります。体調が普段と違う場合は、自分の判断で治療を中断せず、必ず主治医に相談するようにしてください。

勝田胃腸内科外科医院

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