厚生労働省の統計によると日本人のガン死亡の第一位は胃がんでしたが、平成10年から肺がんによる死亡がトップになり、現在も増加の一途をたどっています。
これは肺がんは症状が出現した時はすでに進行・転移していることが多いためだと考えられます。
また、肺がんは喫煙と深く関わりがあり、喫煙者の肺がんによる死亡率は、非喫煙者の約5倍と言われています。
喫煙率が低下しない限り、今後肺がんによる死亡者がさらに増加すると予想されます。
しかし、肺がんの種類によってはタバコをまったく吸ったことのない人にも発生するタイプがあるため、やはり一番の対策は、ガンを早期のうちに発見し、治療する事です。
肺がんは、小細胞ガンと非小細胞ガンの2つの種類に分かれ、それぞれ腫瘍細胞の発育と拡がりが異なります。
喫煙などの外的因子によってなりやすく、太い気管支に発生しやすい。また増殖速度は肺がんの中でも最も速く、転移する可能性も高いのが特徴。
非小細胞がんは腫瘍の細胞の種類により、3つに分類されます。
タバコが主な原因で、太い気管支に発生しやすい。増殖速度はやや速く、転移は少ない。
タバコを吸わない人でも発生し、圧倒的に女性に多いのが特徴で、増殖速度はやや遅いが、転移する可能性が高い。肺の抹消にできやすく、悪性度は扁平上皮がんより高い。
大細胞がんは大きな異常な細胞を有し、腺がんと同じく肺野に多いがんですが、肺門部にもできることがあります。比較的進行が速い。
肺がんの治療成績は、大きさが2センチ以下でリンパ節転移がなければ、手術後の5年生存率は約80%となり良好であると言われています。
またリンパ節転移の少ない1.5センチ以下の肺がんを発見し、治療することが肺がん死亡率を低下させる重要な対策だと考えます。
しかし、従来のレントゲン検診では診断精度に限界があり、この1.5センチの大きさのガンを発見することが困難であり、十分な有効性が証明されていません。
そこで精度面で優位なヘリカルCTを用いた肺がん検診が登場しました。
ヘリカルCTは肺全体をらせん状に間隔を置かずに撮影するため、胸部レントゲン検診や従来のCTでは見つかりにくかった早期がんや心臓・血管・肋骨などの裏に隠れたガンを発見できるようになりました。
またX線照射量も胃のレントゲン検診よりも少ないと言われています。
肺がんを心配されている方、喫煙されている方、この検査で肺をチェックしてみませんか?
勝田胃腸内科外科医院